日本金属学会誌

J. Japan Inst. Metals, Vol. 8, No. 10 (1944),
pp. 568-571

硬質クロム鍍金の吸藏水素に就いて

吉田 進1, 岸 松平1

1機械試驗所

Abstract:

軟鋼のとに種々の條件で鍍金されたクロムの吸蔵する水素の量を學振制定の鐵鋼中水素定量法を用ひて定量し,吸藏水素量が鍍金の條件で變化する様子をしらべ,更に試料の加熱によつて放出される水素量か加熱時間,加熱温度によつて如何に變化するかをみた.水素量の測定に關聯して,クロム鍍金層の硬度の變化を微小硬度計によつて測定し,吸藏水素量との關係をしらべた.その結果以下の如きことがわかつた; (1) 大體において吸藏水素量はクロム鍍金層の硬度及び有孔度に伴つて大きい. (2) 常温では百數十日を經過するも全吸藏量の30〜40%程度を放出するに過ぎない. (3) 然し加熱すれば500°で數時間で殆どすべて放出される. (4) 加熱による硬度の減少は,水素の放出が完全に終つた温度より更に高い温度 (500〜600°) で主として起る;以上の結果から,鍍金層の吸藏水素と,硬度,有孔度の關聯について考へ,又吸藏水素の鍍金層中における状態について推論した.


(Accepted 1944/08/15 Published 1944/10/20)

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