日本金属学会誌

J. Japan Inst. Metals, Vol. 8, No. 10 (1944),
pp. 522-531

アルミニウム及びアルミニウム合金の高温加工性の研究(第2報)超ヂュラルミンの高温加工と再結晶に就いて

伊勢 末雄1

1株式會社神戸製鋼所

Abstract:

高温加工した超ヂュラルミンの再結晶は加工後の加熱に依つて起るものだけでなく,加工速度が充分に遲く,又加工温度が約400°以上であれば,加工變形中にも再結晶が行はれることを既に報告したが,その事實を一層明らかにし,又加工條件と高温加工材の再結晶との關係を調べた.低速加工の場合には大體400°以上で變形と同時こ再結晶が起り,所謂加工時再結晶組織を示し,その結晶粒は一般に甚しく異常で,金屬の流れの方向に著しく細長く發達し,デバイ環に斑點が明瞭に現はれて來る.又壓縮方向に並行に[110]の繊維軸を有する繊維構造をとる.而してこの組織及び構造は495°で1時間加熱されても變化を受けない.加工時再結晶を起さぬ様な比較的低温度の加工材は加工後の495°, 1時間加熱によつて初めて普通の再結晶をなし,これには上記の様な異常性はない.即ち普通の結晶組織で,加工繊維構造も消失してゐる.加工率が或る限度以下に小さくなれば.全然再結晶を起さぬ範圍がある;加工時再結晶には,加工温度が高いばかりでなく,加工速度が或る程度以上遅いことを必要とすると想像される.加工速度が100mm/min程度では何ら影響がなかつたが,衝撃加工の場合には,充分高温でも加工時再結晶は起らないしかし450°附近以上では充分試片の温度が高いため變形停止後の冷却途中に再結晶が行はれるが,その場合は加工繊維構造が失はれる.一方この再結晶してゐない場合は加工後の加熱により勿論再結晶ずるが,その再結晶は400°, 1時間の加熱で充分であり, 400°以上の加工のものは加工温度以下の400°の加熱でも再結晶する;超ヂュラルミンの加工時再結晶組織が加工後の加熱によつて變化を殆ど受けないで,溶體化處理後にもその特性を保持してゐるのは再結晶粒が生長しない爲であつて,それには本合金の一成分なMnが結晶の生長阻止元素となつてゐることを明らかにした.


(Accepted 1944/07/14 Published 1944/10/20)

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