日本金属学会誌

J. Japan Inst. Metals, Vol. 8, No. 10 (1944),
pp. 517-521

合金の凝固の際共存する固液兩相の容積變化(第2報) Cu-Pb軸承合金に關する研究

高瀬 孝夫1, 福田 元2

1川崎航空機工業株式會社
2川崎車輛株式會社

Abstract:

Cu-Pb系合金の凝固の際に起る固液兩相の容積變化を混合比に依り計算し,凝固中に容積の收縮する状況及び比重變化の状況を明らかにした.計算結果に依ると液相の收縮の最も著しいのは954°の偏晶反應でこの際等温的に約11%収縮する.固相の容積に對して液相の容積は偏晶反應直前に於て約4%小さいが反應を終れば15%も小さくなる.この著しい變化がCu-Pb合金の鑄造の際の収縮巣發生に重大な關係を持つものと想像される.尚327°のPbの凝固に於ても微量の等温收縮が起る.Pb含有量と合金の収縮率との關係に就いて見るに954°の偏晶反應に於てはPb36%附近が最大で1・6%となり,全凝固區間ではPb30%附近に7・3%といふ1箇の極小値が存在し他はPb含有量と共に連續的に變化する;次に比重變化に於ても954°の偏晶反應に於て最も大きく液相自體の比重増加は11%で固相に對して反應直前約4%のものが直後では17%も液相が大となる.この等温比重變化が本合金の鑄造の際に生ずるPb偏析に關係を持つことが想像される.尚Pb36〜92・5%間の共軛2液相にも比重差が存在しPb側の液相がCu側の液相よりも約12〜13%大きい;以上の容積變化及び比重變化と温度との關後より見て本合金は凝固の際に極めて複雜な過程を經るものでこの合金の鑄造の困難さを窺知することが出來る.


(Accepted 1944/07/30 Published 1944/10/20)

Keywords:


PDF(Free)PDF (Free)     Table of ContentsTable of Contents

Please do not copy without permission.